ガヴォット第1番ホ長調 第2楽章 ”砂塵の彼方”

芸能界の浮沈常ならぬ世にしあれば、時移り、事去り、楽しび・悲しび行きかひて・・・・・、ホ長調の曲にてぞ60年をふりかえらん 

水素

水素は宇宙の90%近くを占める元素だけれど地球上にはそれほど多くない
そして我々は地球に住んでいるわけだから宇宙での存在を議論しても意味がない
あくまでも 地球上(それも我々が生活しているエリア)でのことを考えることにする。


水素は原子番号1番の元素の名称であると同時に
水素という元素だけからなる単体の名称でもある

まずこれは常に意識しておいたほうがいい


水素 という元素の原子は 1個の陽子 が存在する
このことを 原子番号が1番 であるという
すなわち 原子番号が1番の原子 は
すべて 水素 と呼ばれる元素の原子である

ところがこの 水素原子 と呼ばれる原子は1種類ではない
原子は 陽子 中性子 電子 と呼ばれる3種類の粒子から成り立っている ことが
20世紀の前半くらいまでに明らかになった
(現在ではこれらが クォーク と呼ばれる粒子からできていることも明らかになっている)

原子(英語では atom という)という粒子は全体では
プラスの電気(正電荷という) も マイナスの電気(負電荷という)
も帯びていない

これは原子の中に存在する陽子の数と電子の数が等しく
なおかつ陽子の持っている正電荷と電子の持っている負電荷とは
絶対値が等しい ということである


原子の化学的性質を決定するのは電子配置であり
電子配置は電子の数で決定する
原子の電子の数は陽子の数で決定するわけだから
結局陽子の数の等しい原子は全部同じ性質を持ち区別できないことになる


そこで陽子の数(=原子番号)の同じ原子など(イオンも含む)の種類を
元素 と呼んで整理
しているわけである


だからよく教科書などに載っている周期表
元素の周期表 であって 原子の周期表 ではない
同じ元素 に属する 違う原子 がたくさん存在する


水素原子の場合 原子番号は1番 なのだから必ず陽子は1個 だが
中性子の数は 0のもの 1のもの 2のもの などが存在するのだ


原子中の陽子の数と中性子の数を足したものを 質量数 という けれど
原子番号が同じ(つまり同じ元素)であっても
質量数の異なる原子(とうぜん原子の質量は異なる)が存在するのである


このように

原子番号(=陽子の数)は同じで質量数の異なる原子のことを



同位体 (英語でisotope)   といっている



天然に存在している水素原子は99,985%が 質量数1  だが
残りの0,015%は 質量数2  である

さらに人工的に 質量数3 の水素原子も作ることができる

ただ質量数3の水素原子 は放射線を出しながら
原子そのものが壊れていく というとんでもない性質があり
こういう原子は

放射性同位体(radioisotope) と呼ばれている



質量数1の水素原子 と 質量数2の水素原子 は
質量以外の違いがほとんどなく 同じように化学反応するので区別できない

だから化学反応を議論するときは同位体を区別しないで
水素 という元素として考えるのである
  


それではあらためて地球上で水素という元素がどのように存在しているか考えてみよう

実は水素に限らずほとんどの元素が

原子のままでは存在できない  のである



水素は原子番号が1だから原子核にある陽子の数は1
必然的に電子の数も1 になるけれど
この電子は原子核に近いところにある K殻 というお部屋(w)に住んでいる

ところがこのK殻というお部屋は電子が2個入っていないと安定にならない


ならばもう1個電子を入れて2個にすればいいようなものだが
そうなると 陽子が1個 に対して 電子が2個 になって
電気的にものすごく不安定になってしまう
(17族のハロゲン元素ならこの方法で安定になれる)
こうしてできた陰イオンは 水素化物イオン といって
水が存在するような環境では存在できない


逆に1個電子を失ったものは水溶液中で存在でき 水素イオン という
(陽子そのものなので水溶液中でしか存在できない)


水素しかない環境で安定になるためには
2個の水素原子がそれぞれの電子を共有して水素分子になる
このような結合を共有結合といいできた粒子を分子という

しかし地球上には酸素という元素が多量に存在するので
酸素原子1個と水素原子2個が共有結合して 水分子(H2O)として存在している

水を作っている元素なので 水素(hydrogen) と呼ぶ わけだ

hydro は ギリシャ語で 水 を意味し
Hydro の頭文字の H をとって
水素や水素原子を表す万国共通の記号として使われている
これが 水素の元素記号 というわけだ