ガヴォット第1番ホ長調 第2楽章 ”砂塵の彼方”

芸能界の浮沈常ならぬ世にしあれば、時移り、事去り、楽しび・悲しび行きかひて・・・・・、ホ長調の曲にてぞ60年をふりかえらん 

徒然草第1段

第1段

いでや、この世に生れては、願はしかるべき事こそ多かめれ。
御門の御位は、いともかしこし、
竹の園生の末葉まで人間の種ならぬぞ、やんごとなき。
一の人の御有様はさらなり、たゞ人も、
舎人など賜はるきはは、ゆゝしと見ゆ。
その子・うまごまでは、はふれにたれど、なほなまめかし。
それより下つかたは、ほどにつけつゝ、時にあひ、したり顔なるも、
みづからはいみじと思ふらめど、いとくちをし。


これが次のように訳されている


生まれた以上、望みは多いよね。
天皇になりたい! ってこれは言いすぎだよね。第一血統的にムリ。
総理大臣くらい? が一番の理想くらい。そこまで行かなくても事務次官くらい行ったらおk。
少なくとも孫の代くらいまでは安心。それ以下は底辺だから自慢するのやめようねwww


現代語訳 というより 現代社会訳 といったほうがいいのかな
ニッポンで1番偉いのは天皇 ってとこは今も昔も同じ ってよく考えると凄い
これは世襲だから他の血筋のものがなろうと思ってもできないわけだが

竹の園生の末葉まで人間の種ならぬぞ   は訳していないのかな?

古代中国の農民王 陳勝 の有名な言葉

王侯諸将 いずくんぞ 種あらんや
(王・諸侯・将軍・大臣だからといって血筋が庶民と別格だと言えるのか?いや言えない)

をふまえての言葉だとすれば 吉田兼好には

天皇といったって元をたどればどっかの馬の骨 誰だってなれるのだ
という意識があったのではなかろうか

一の人 舎人  を 総理大臣 事務次官  というのは
わかりやすいけどちょっと無理があるように思う



ともあれ鎌倉時代に 種 という言葉を使っている兼好はタダものではない



shuyo というIDは 種よ  からきているんですよ

実はもうすこしまともな訳もあって こちらも有名らしい
http://www.tsurezuregusa.com/contents/1.html
>竹林で育った竹が、その先端まで竹であるのと同じで、皇帝の系譜は、その末端まで遺伝子を受け継ぐ。
 その遺伝子が、人間を超越して、わけのからないものになっていることは、とても聖なることだ。

メンデルが遺伝の法則を発見したのが1865年で再発見されたのが19000年
遺伝子 という概念は20世紀になってはじめて出てきたものだから
14世紀に書かれた徒然草に 遺伝子 という言葉を使うのは明らかに訳しすぎだが
兼好がほんとうにそのようなものを考えていたのならまだに天才ということになる





徒然草の第1段というのはかなり長く このあとには次のような文章が続く


法師ばかりうらやましからぬものはあらじ。
「人には木の端のやうに思はるゝよ」と清少納言が書けるも、げにさることぞかし。
勢まうに、のゝしりたるにつけて、いみじとは見えず、
増賀聖の言ひけんやうに、名聞ぐるしく、仏の御教にたがふらんとぞ覚ゆる。
ひたふるの世捨人は、なかなかあらまほしきかたもありなん。

日本だけの傾向かもしれないが 今も昔も知識人というのはたいてい自虐的で
自分の職業をいいふうに書くことは少ない。(本心はわからない)
ここは誰が訳してもそう大差ないと思えるが 例の現代語訳では


坊さんはダメ。全然ダメ。清少納言が「あんなの石ころでいいじゃんww」なんて書いたのも納得。
あそこでのし上がっても全然すごいと思えない。っていうか教義と違うじゃんwww
世の中捨てた人なら見習うところもあるんじゃないのwww

興味深いのは次の部分


人は、かたち・ありさまのすぐれたらんこそ、あらまほしかるべけれ、
物うち言ひたる、聞きにくからず、愛敬ありて、言葉多からぬこそ、飽かず向はまほしけれ。
めでたしと見る人の、心劣りせらるゝ本性見えんこそ、口をしかるべけれ。
しな・かたちこそ生れつきたらめ、心は、などか、賢きより賢きにも、移さば移らざらん。
かたち・心ざまよき人も、才なく成りぬれば、品下り、顔憎さげなる人にも立ちまじりて、
かけずけおさるゝこそ、本意なきわざなれ。


イケメンがモテるというのはうそ。現実は喋りがうまくて聞き上手なのがリア充候補。
逆にイケメンでもDQNはNGね。家とか顔とかは生まれつきだけど、性格はがんばれば何とかなる。
だた顔と性格がよくても低学歴はすぐに論破されるよね。ざまぁwwww


正論すぎるほど正論 なのだが 現実は違う
恋が始まるまでは美貌は看板として必要 なんて言葉があったように
きっかけがなければ話が始まらない
いくら知識が豊富で聞き上手であってもきっかけがつかめなければ泣かず飛ばず
そのてんイケメンは長続きしなくてもきっかけはつかめる
たとえ内容がなくてすぐに別れようとも やったらサヨナラ な奴には都合がいい
世の中は 賢い不細工 より アホなイケメン のほうが絶対得である

天は二物を与えず というが 現実には 賢いイケメン なんて掃いて捨てるほどいる

ただネット上では顔は見えないから
ネットの時代になって不細工が世に出るチャンスは多少増えたかもしれないね




ありたき事は、まことしき文の道、作文・和歌・管絃の道。
また、有職に公事の方、人の鏡ならんこそいみじかるべけれ。
手など拙からず走り書き、声をかしくて拍子とり、いたましうするものから、
下戸ならぬこそ、男はよけれ。



結局、高学歴で芸術的なセンスもあるのが理想。それで政治経済に明るいのがすごい人ってもの。
男なら筆達者、歌も上手い、酒も飲める、これくらい当然だろ。


いいことを言っているように見えて1番腹の立つのがここだ
ここであげられているのは文科系の学問と芸術だけ

これは兼好に限らず現代の文系の知識人に共通するのだが
理系の学問すなわち自然科学に関する畏敬の念が全く欠落しているのである

ひどいのになると 自然科学などやる奴は頭がおかしい  とか平気でのたまう
現代の文明や生活はもちろん自然科学の成果なしには考えられないし
あらゆるところで理系の学問の世話になってるはずなのに
文明は文化を破壊するもの みたいなとんでもないことをブチまける


最後の 下戸ならぬこそ、男はよけれ  というのはいいね
♪人生半分しらふでわかる あとの半分酒で知る(人生半分・酒半分/知名定男)
という歌があったけど まさに飲めないのは人生を半分しか味わえないと思う

他の段
第3段 http://d.hatena.ne.jp/mari003/20080625
第7段 http://plaza.rakuten.co.jp/kaorins/diary/200806270000/
第11段 http://d.hatena.ne.jp/airi0011/20080625
第14段 http://d.hatena.ne.jp/ai0014/20080626
第38段 http://d.hatena.ne.jp/ai0014/20080629
第40段 http://d.hatena.ne.jp/arisa0016/20080629